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シャネルの口紅の開発者であるフランス人が、シャネルの新しい「赤」を求めて日本にやってくるというドキュメンタリー。
それまで、そのシャネルの人の自信作は、「コチニール」という貝をすりつぶしたときに出る、動物性の「赤」。すごく深みがあり、美しい赤だ。しかし、彼はそれに満足せず、何を求めたかというと、日の丸の赤だという。そう、日の丸の赤は、すなわち日輪、太陽の赤だ。

彼がやってきたのは京都。京都郊外に、昔ながらの染色法で紙や、布を染めている染色家の吉岡氏の工房があるからだ。そこには、日本古来の「赤」がなんと50種以上もあった。これにはフランス人でなくとも驚く。朱、茜、桜、紅、緋、...微妙だが、でもしっかりと異なる数々の赤。なかでも、日にかざすと、黄金色に輝く赤があった。これこそ彼が求めていた赤。それはなんとベニバナの赤だった。

ベニバナは黄色い花だが、昔はこの花から、口紅をつくっていた。1000年以上も前の話だ。いったいどうやって?ここからが、すごいのだが、その製法はこうだ。まずつみとって乾かしたベニバナの花を中性の水で洗う。そうすると、黄色の色素が滲み出す。そうしたあとで、わら灰を溶かした水、すなわちアルカリの水で洗うと、なんと赤色が滲み出してくるのだ。そう、水のpHによって抽出される色が変わるのだ。しかし、これで終わりではない、赤が出たといっても、それほど濃い赤ではない。そこでここに酢酸を加えるとどうだ。たらした部分から鮮やかな赤に染まっていく。シャネルの人は、しきりにマジック、マジック!と叫ぶ。アルカリが中和されたためらしい。これで終わりではなく、さらにここに烏梅(うばい)から抽出したクエン酸を加える。すると、赤の色素が沈殿し、泥のようなものが残る。これで完成。あとは、これを水で溶いて、和紙に4回重ねて塗る。一度に4回塗ると和紙が傷むので、
一日一回。できあがった、和紙は、わずかに光沢を帯び、青みがかった深い赤を発していた。美しい。

一体、昔の人は、どうやってこんな方法を見つけたのだろうか?番組中でもシャネルの人も不思議がっていたが、吉岡氏によれば、「昔の人はなんどもなんども失敗して、編み出したんです。いまの我々は、そのおかげで失敗せずに済みます。」という。

なぜ、ベニバナの色は、こんなにも美しいのか。色素の研究をしている岡山の教授によると、実は、ベニバナの赤は自ら光りを発する「蛍光色」なのだそうだ。シャネルの人は、テーマとして、日の丸意外に「蛍光」もターゲットにしていたのだが、そのどちらもベニバナは持っていた。さらにおどろいたのは、その教授の提案で、コチニールとベニバナを半々に混ぜ合わす、これまでになかったまったく新しい、赤ができたことだった。

ほかにも彼は、日本の衣装の「襲ね(かさね)」や、東大寺二月堂の「つばき」など、赤に対する、日本の美の世界を吸収し、フランスに帰って行った。その3ヶ月後、彼は三つの試作品を作り、それぞれ「ルージュ・ド・京都」「ルージュ・ド・奈良」そしてコチニール+ベニバナのものを「AKA」と名づけた。

Chanel number 5 full movie
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